I'm sorry. In Japanese only.


2003 IRL 第13戦 ナザレス 観戦記 by Umi



ナザレス スピードウェイについて

ナザレススピードウェイの公式サイトは こちら

このトラックは、変形D型オーバルとは言うものの コーナーが一つ一つ全く異なり、また起伏もあります。 ドライバーのコメントにも良く見られたのが、 オーバルと言うよりロードコースに近いようなトラックというような表現。 コース幅が狭いことからパッシングも難しいといわれていて、 想像していたとおり、ものすごく面白い 見ごたえのあるトラックだと思います。

ナザレス、近郊のアレンタウン、イーストンとも、 いわゆる田舎の地域。 町中には大きなショッピングセンターなどはありませんが、 きれいで過ごしやすい所でした。 1マイルオーバルでインフィールドがそれほど広くないこともあって、 ガレージでのチームの作業は、よく見えると思います。 初日、2日目のガレージでは、 一般客の日本人ファン、 というよりアジア人ファンをほとんど見かけませんでした。

ここはマイケル アンドレッティの地元であり、 また、ペンスキーのショップも近くにあるとのことです。 ビリー ジョエルが「アレンタウン」と言う歌を 歌っているので、ご存じの方も多いかも。 さらに、アコースティックギターで有名なマーチンの工場が近くにあるとのことで、 ポール獲得のスコットがマーチンギターをもらっていました。 (その時の写真は Gallery でどうぞ。)



交通

ニューヨークからだと車で1時間半程度。 アレンタウン空港からだと車で20分弱程度。

私は車が運転できないので、アレンタウン空港とタクシーを使いました。 タクシーはかなり不便でした。 特にスピードウェイからの帰りは、 まず公衆電話がないこと、 目印となるところがGateくらいしかないこと、また、 なんとかタクシーを呼んでも小一時間待ち、大変不便でした。 宿泊は、車で10分弱(タクシーで$13)の Days Inn Eastonにしました。 従業員の方が親切だし、安くて快適。



チケットと場内

General admission 金曜: $10, 土曜: $25 (金曜、土曜はグランドスタンドに入れます。), 決勝日: $40
Garage pass (3日間): $25 (General admissionが別途必要)
Reserved seat (決勝日): $50 (General admissionが別途必要)

チケットは全て、現地で初日の朝に買いました。 General Admissionで1,2日目はグランドスタンドにも入れるので、 まずはPractice中にスタンドに入ってみて、ピットの並び順や スタートラインの位置、眺めなどを確かめてから、 見たい位置の見当をつけて決勝日の指定席を買いました。 General Admissionで決勝日にも入れるスタンド席が最終コーナー付近にありますが、 イベントエリアやGarageからは近い反面、 ピット作業を見たいのであればちょっと遠いし、 ピット出口の様子は全く見えないと思います。 スタンド席上方だと、 バックストレートまでしっかり見えて、大変面白いです。

インフィールドのGarageは、General admissionに加えてGarage passを買うと 入ることができます。 インフィールドへは最終コーナー下のトンネルを通って入るので、 グランドスタンドからだと少し歩かなければなりません。 インフィールドから走行中の車を見れるところも一部ありますが、 去年まで見れたというPit作業は今年から見れなくなっているし (安全上の問題から、と書かれていました。)、 大画面テレビ等も全くないので、 一般客がインフィールドからセッションの全体を把握するというのは難しいです。 Garageに入る時には、毎回必ず、写真付IDのチェックを受けました。 各チームのトレーラーがインフィールド内に整然と並び、 そのトレーラー脇に各チームがテントを張ってそこで作業を行うと言う形で、 作業はかなり良く見えます。

Garage内には、ナザレス土産用の移動販売車1台と ホットドックやバーガー、飲み物が買える露店が1件ありましたが、 一般客が日差しや雨を避けるような場所はありません。

Gate1からGarageに通じるトンネルまでの無料で入場できるスペースには、 ピットストップチャレンジやチームグッズ販売のトレーラー、IRLグッズの販売コーナー、 ライブステージなどがありました。

場内には公衆電話が1台もありません。 公式サイトの地図には電話マークがありますが、全部嘘でした。 当てにしないように。



気候

2003年のIRLレースが行われた8月末は、 1日1日の気候の変化がとても激しかったです。

初日は日本以上の高温多湿、朝からとにかく蒸し暑く、 日中は36℃くらいあったらしい。 熱中症になりそうなやばい暑さという感じで、 水分を取って、あまり無理しないように気をつけていました。 またT-stormの予報が出ていて、 プラクティス中に雨がパラパラと降って一時セッションが中断しましたが、 ほんの数分パラパラと降ったくらいで セッションも案外すぐに再開されました。
2,3日目は打って変わって気温も湿度も下がり、 朝は20℃くらい、日中は28℃くらい。 日差しはそこそこ強いけれど、とても過ごしやすかったです。



レース期間中

ガレージへ

初日の朝、到着後すぐにGeneral Admission と Garage Pass を購入して、 とにかくグランドスタンド上方へ上ってみました。 朝早くからスタンドでくつろいでいた現地のおじさんに教えてもらいながら、 インフィールドにあるガレージへの行き方とトラック全体を把握。 すごい面白そうなトラックだなぁと改めて感じるとともに、 ついにここに来ちゃったなぁと実感できて、とても感動した瞬間。

しばらくして、トラックの外側のエリアを確かめながら、 ガレージへ向かいました。 ガレージに初めて入るときにはその場で署名をし、その後は入場時に毎回、 写真入のID(私の場合はパスポートしかない・・・)のチェックを受けました。

ガレージ内では、まずは各チームの位置と、ドライバーズミーティングや プレスカンファレンスが行われそうなメディアセンターなどを確認。 ちょうど中央にあるピットへの出入り口のすぐ両脇に、メディアセンターと チームターゲットのガレージがありました。 ドライバーズミーティングやプレスカンファレンスの前後は、 必ずメディアセンター入り口に来ていました。 また、一般客が日差しや雨を避けて休むような場所が場内に無いので、 このメディアセンターの建物の日陰で休みつつ、 人の行き来やチームの働き振りを見ながら 独特の雰囲気にひたっていることも多かったです。 そしてセッションの数分前には 毎回、ピットロード入りを待つインディカーの列がここにできていました。

初日から来ているような日本人ファンが私のほかにはいなかったようで、 日本人のメディア関係者の方やチーム関係者の方に、 お会いするたびに声をかけていただき、 また、大変助けていただいて、本当に嬉しかったです。



ドライバー

ドライバーにはとても声をかけやすい雰囲気です。 時間がありそうな様子をきちんと感じとって一声かければ、 写真を撮るときはとまって笑顔を向けてくれることも多いし、 サインも気軽に応じてもらえて、多少雑談もできます。 セッション中にはトラックで400km/h弱で走行しているようなすごい人たちと 気軽に接することができる、この雰囲気がファンには たまらなく嬉しいですね。

サインを貰う為に差し出す写真もドライバーは結構ちゃんと見てくれていて、 「これは○○のレースの時だね。」などと言ってくれることもあります。 私がもてぎで撮った写真を出すと、何人かのドライバーが「日本だね」と 気がついてくれました。 そのあと周りにいたファンの人と会話が始まったりもしました。 ある男の方には「ファイティングは見る?」と聞かれて 「あまり見ないので、良くわからないかも・・」と答えると、 「俺は良く見るんだけど、サクーバー(桜庭)とか知ってるよ。」だって。 「あ〜、わかるわかる。」 良かったぁ、なんとか名前と顔を知ってる人で ・・・という感じ。

初日に比べてとても過ごしやすい朝となった2日目早朝、 スコット シャープに「今朝は気持ちがいい朝ですね。」と話し掛けると、 「そのとおりだよ。昨日は暑かったし湿度も高かったし大変だったけど、 今日は過ごしやすくていい感じだね。」と言っていました。 右にあった黒いカバーのかかったマシン(Tカーかな?)の サイドポンツーン上に少し前に置いた桃を、この後に食べていました。

ロジャーは、以前、2000年バーバーダッジ優勝時の写真数枚に 私がサインをもらっていたこともあって覚えていてくれたようで、 色々とお話しすることができました。 レース後には「次はフォンタナあたりにいらっしゃるんですか?」と 聞かれてしまいましたが、ごめんなさい、 ものすごい頑張っても海外観戦は 年1回が限界なので、今年はこれで終わりです。。。



ガレージでの作業

各チームのトレーラーの脇にテントを張って作ったガレージでの作業は、 ガレージ内も明るいし、よく見えます。 毎回思うことですが、さっきまで走行していた車が、セッション間に ガチャガチャと工具と金属が触れる音がする中でどんどん解体されていって、 次のセッションに向けて再び組み上げられていく様子はすごい! 特に、トップチームといわれるチームのクルーの働き振りは本当に素晴らしく、 機械のことはあまりよくわからない私でさえも、 無駄のない、てきぱきした作業が進められているように感じました。

初日のセッションとセッションの間にクルーが作業している中、 ドライビングスーツを裏返しにしてハンガーに掛けたものを手に トーマスが現れ、 ガレージ奥のテント上部のパイプに吊るして去っていきました。 この日は非常に蒸し暑かったので、 そうでもしないと全く乾かなかったんでしょうね〜。 作業中のクルーも、その後現れたスコットも、 裏返しのスーツがブラブラ揺れている光景に、笑っていました。



セッション中

グランドスタンド下方で、壁ぎりぎりを爆走する車の音と速さを感じるのも、 ちょっと怖いけど、面白いです。 また、上方で全体を眺めながら、 そしてピットの様子も確認しながら。走行を見るのも楽しいです。 トラック全体が見えるので、ライン取りや各車の特性も案外良くわかります。

ガレージ内ではピット作業が見える場所はほとんどないですが、 ピット出口付近だと、 ピットから出て行く車と、 スタート-フィニッシュライン〜ターン2くらいが見える場所があるので、 ここもなかなか面白いです。 ここからは、フラッグと順位を示す電光掲示板も見えるので、 予選中、ここで出て行く車を確認しながら楽しむことができました。



合間にはイベントエリアへ

セッションの合間にはガレージを出て、 グッズ販売のトレーラーが集まっていたり、 イベントが行われているエリアに行きました。 IRL公式グッズ、チームギア等だけでなく、場内ラジオを聞くための ラジオやヘッドホンを販売しているトレーラーもありました。 その他にも、ライブステージ、ピットストップチャレンジ、トヨタや シボレーの宣伝ブースなどもあり、このエリアはレース後の夕方遅くにも、 まだかなり賑わっていました。



スコット ディクソン

今回、ナザレスに行くことに決めた理由の1つは、
スコットがCARTルーキーだった2001年に、 CART3戦目にして初優勝したのがここ、ナザレスだったこと。
この時スコットは20歳9ヶ月、メジャーオープンホイールレースでの最年少優勝記録だったのです。 IRLとCARTでは、もちろん違いがあるのでしょうが、 本人も良い印象をもっているはすだろうし、期待できる! と狙っていました。レース前のコメントでも、 当然ながらそのことについて触れていたし、 今年のいままでのチームの結果を加え合わせて、 大いに期待していました。

ところが、後から知ったのですが、 実はこのナザレスで優勝経験のあるドライバーがなんと7人も 参戦していたのでした!! これにはすごくビックリしました。
91年、92年ライツ優勝のビュール、93年ライツ優勝のハータ、 97年アトランティック優勝のバロン、98年アトランティック優勝のライス、 ペンスキー100勝目にあたる2000年CART優勝のジル、 01年CART優勝のディクソン、そして02年IRL優勝のシャープ。

金曜朝、まだすいているガレージをフラフラと歩いていると、 バイクでいつも通りにブンブン飛ばして前からやってくるスコットを発見。 サムアップしたら気付いて、わざわざ止まってくれて、相変わらずの ニュージーランドアクセントの英語で「待ってたよ。」と言ってくれました。 どうやら、私が行くということはわかっていた様です。 スコットはガレージ内(テントの下)でもサングラスをかけて 眉間にしわを寄せていることが多いですが (そういう顔の作りだってだけなんでしょうけど。) 、結構ちゃんと外を見ているらくて、 私がフラフラと歩きながらガレージ内のスコットに手を振ると、 チラッと手を挙げてくれていました。

それでも、レースウィークエンド中、 ファンの前ではほとんど笑顔を見せないんですね。 ポール獲得後とかでさえ、声をかけても「Ya」だけの相変わらずの返事。 クルーと話してるときやインタビューのとき、 またプレスカンファレンスの写真などを見ると、 すごいリラックスした良い笑顔なのにねぇ〜。 「写真お願いします。」って言っただけでは、普通の顔。 今年のもてぎからは、私はその後に必ず「スマ〜イル!」と言うことにしています。

肝心の、セッションについて。車は速くて初日からチームは好調。 気温も湿度もグッと下がってコンディションが変わった2日目も、 やはり速くて予選でポール獲得。 予選中は、前述のとおり、ピット出口付近のインフィールドから観戦。 そこからだと、走行自体は少ししか見えないけど、 そこだけでも、音も動きもスムースな車が速いというのはなんとなく分かりました。 左の写真は、一応これから予選で走るスコットの9号車、前半分のみ。。。

決勝は、スタートから初回ピットストップまでの快走で、 正直なところ、「これはいける!?」と夢を見させてもらっていました。 しかし、メカニカルトラブルが原因で 残念ながら16位リタイアになってしまいました。 ポール獲得はこのレースで5度目。 速いのにトラブルでリタイアということが多くて、 チャンピオンシップ争いをしている シーズン終盤でのこの結果はきついなぁというところですが、 これもレースです。仕方がないですね。 雰囲気は十分味わえたので、本当に良かったです。
エリオ、おめでとう!恒例の金網のぼりを遠くから見ました。

レース後、 残念ながら他チームより早めに片付いているチームターゲットのガレージ。 ドライブシャフトの破損がリタイアの原因だったということを クルーに教えてもらいました。



最後に

スコットのリタイアは本当に残念でしたが、 各チームのガレージの様子、 クルーの動き、独特の雰囲気、 現地ファンとの会話、、、などなど、 現地でしか味わえない楽しさを念願のトラックで十分味わうことができました。

私の留守中にもサイトに来ていただいた方々、 そして現地でお会いした方々に いっぱいいっぱい助けていただいて、 無事に観戦を終えることができました。 特に現地でお会いした方々には、 まともに挨拶もできずに帰ってきてしまいました。 本当にありがとうございました。

そして、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
あくまでも私が感じたことばかりですが、
現地の様子がすこしでもわかっていただければ、 そしてちょっとでも何かのお役に立てていただければ幸いです。




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