I'm sorry. In Japanese only.


2005 IRL Rd.16 Watkins Glen 観戦記 by Umi



歴史あるワトキンスグレン

今までオーバルのみだったIRLに、05年からストリート1戦とロード2戦が 組み込まれることが正式に決まった時から、 ロードのどちらかを見に行こうと狙っていました。 スコットはCART、IRLを通してオーバルでしか勝っていません。 しかし、もともとロードがベースだし、ここ最近どうも波に乗れないオーバルではなく、 気分を新たに「何かやってくれる」という期待を込めて、 ロード2戦目になるワトキンスグレンに行くことにしました。

ワトキンスグレンは、ニューヨーク州のやや西の方にあり、最寄りのElmira-Corning空港から ワトキンスグレンの町まで車で約30分。 南北に長いセネカ湖の南端に町があり、その周囲にはワイナリーが点在していて有名らしい。 のどかで、パトカーのサイレンも滞在中は一度も聞かなかったような所。 他のアメリカの大都市にいるような緊張は、全くないです。 それゆえ半端じゃなく不便なので(タクシー事情も最悪)、 正直な感想としては、自分で運転しない人は行かない方が無難です。 初期のレースは、どうやらこの町をテンポラリーコースとして走っていた様です。 メインストリートの歩道には、トラックができてから始まったF1の 歴代優勝者の名前が彫り込まれたモニュメントが敷かれていました。 木曜午後1-9時には、このメインストリート沿いでIndy Festivalをやっていて、 ライブやグッズ販売などで賑わっていました。




ワトキンスグレン・インターナショナル

ワトキンスグレン・インターナショナルまでは、ワトキンスグレンの町から丘を登って車で6,7分。 1周3.37マイル、高低差があり高速コーナーばかりのトラック。 是非車で1周してみたい、面白そうなトラック。 今後、見に行かれる方、チケットはネットを利用して前売りを買いましょう。 パドックパスは売り切れていました。 売り切れたほど混んでる様には、全く思えなかったんですけどねぇ。 フロントストレッチのスタンドも、ピット側スタンド(ピットテラス)は そこそこ埋まっていましたが、コース側のグランドスタンドは決勝でもかなり空席が目立ちました。 スタンドがあるところは大画面スクリーンが所々にあるので、 レース展開は把握できます。

IRLのパドックは、スタートライン近くにありました。 ガレージがあり、その向かい合わせに各チームのトランスポーターが整然と並んでとめてあって、 行き来しながら作業という感じ。 トランスポーター間が狭いので、 各チームのトランスポーターのペイントがよく見えなかったのが少し残念。 ホスピタリティやモーターホームは少し離れた所にありました。 IRLのパドックに入るにはパドックパスが必要です。 お隣のIPSやGrandAmのパドックには入場券のみで入れます。

入場券で入れるエリアには、いつも通り、グッズの販売エリア、 キッズゾーン、ライブステージなどもあり、 決勝日には賑わっていました。 今年よく見る、一部カットされて構造が見えるようになっている9号車も 展示されていました。 チーズやチリソースの試食宣伝などもありました。 トヨタのブースもあって、スコットの9号車、F1マシン、NASCARのタンドラ が展示してあり、また、ターゲット車のフロントノーズが当たる懸賞受付 (と称してDMの受付)もしていました。

ところで、2日目にはすでに公式プログラムが売り切れていました。 パドックパスに加えて公式プログラムも売り切れ・・・ うーん、一体何冊用意していたんでしょう? 1日目も2日目も、そんなに混んでなかったように思うけどねぇ。 お友達にお土産として何冊か買おうと思っていたのですが、私も1冊も手に入らず。 もし来年以降行かれる方がいれば、プログラムは初日に買っておきましょう。



バイク(や自転車)

もてぎとは違い、ホスピタリティ、モーターホーム、 トランスポーターやガレージ、ピットなどの行き来に、 多くのドライバーがバイクや自転車を使っているのはご存じの通り。 全員というわけではなく、ダニカ、ハータなどはいつも歩いて移動していた様に思います。 ロジャーも歩きが多かったかな。 そこで、今回はバイクや自転車の写真を集めてみました。 ・・・撮った写真を見直したら、バイクしか撮れてなかったんですけどね。 まぁとにかく、それぞれしっかりスポンサーの特徴が出ています。 ドライバーがそれぞれのタイミングでピットに乗り付けて、 邪魔にならない所に置いてあるという感じですが、 パドック内のトランスポーター前などでは、これらのバイクや自転車も しっかり整頓されて並べられています。 しかも、ちゃんと磨き上げられています。 ターゲットやペンスキーは、2台ともカラーリングが同じでハンドルにドライバーの名前が書いてあって 区別しているようですが、他のチームはカラーリングも違うし、パンサーなどは シェクターはバイク、エンゲは自転車だったりと、さまざまです。

#9 Scott Dixon #10 Giorgio Pantano

#27 Dario Franchitti #11 Tony Kanaan

#3 Helio Castroneves #6 Sam Hornish Jr.

#51 Alex Barron #83 Patrick Carpantier

#15 Buddy Rice #17 Vitor Meira

#4 Tomas Scheckter




こんな方々も見かけました



左から、マックス・パピス、スコット・プルーエット、ロベルト・モレノ、ティアゴ・メデイロス

今回、IRL以外にInfiniti Pro Series、GrandAm、Histric GPも併催でした。 GrandAmには、ヨハンソン、パピス(写真・一番左)、ギドリー、プルーエット(写真・左から2枚目) なども参戦していて、特にヨハンソン、プルーエットはチームターゲットから出ているので、 IRLのターゲットのピットにもしょっちゅう来ていました。 ヨハンソンは、3年前にモントリオールで会ったときの好印象そのまま。 遠くからちょっと目があっただけでも、いつも必ずニコッとしてくれます。 話をしながら3年前の写真にサインもいただいたのに、今年の写真を撮り忘れました。。。 プルーエットはコアなおじさんファン達に大人気で、 歩いているだけですぐに取り囲まれたり、普通に友達のように話しかけられたりしていました。 そういえば、2年前までIRLのチームターゲットにいたクルー達の何人かは、 去年からGrandAmチームに移っていて、彼らの頑張っている姿を見かけました。 パピスは、いろんなIRLチームに顔を出していました。 嬉しいことにモレノ(写真・右から2枚目)も来ていて、久々に見かけました。 また、次戦の最終戦フォンタナのみロジャーのチームメイトとして 参戦したメデイロス(写真・一番右)。ドレイヤー・レインボールドの トランスポーターに出入りしていました。




ドリンク

パンサーのスポンサー、Rock Star(写真:左)。 ガソリンスタンドのコンビニで見つけたので、飲んでみました。 缶にはEnergy Drinkと書いてあります。味は、初めはいわゆる健康ドリンクの味で、 後味はすこし薬っぽい。。。

次はチーバーのスポンサーにもなっているRed Bull(写真:真ん中)。 ケベックでフランス語表示らしい瓶物を見つけたので、買ってみました。 これは子供の時に飲んだ、液体風邪薬のような味でした。結構おいしい。

最後に、松浦くんのピットに置いてあった松浦くん用ドリンク(写真:右)かな?、 しっかり55号車仕様になっていました。写真がぼけてて、ごめんなさい。




2年3か月ぶり、悲願の優勝を目の前で!




なんと言っても、これに尽きます。 前述の通り、今回もワトキンスグレンで「何かやってくれる」と期待して行ったのですが、 去年、今年と低迷しているなか、 2年3か月ぶりの優勝をこの場で味わうことができるとは!!涙が出るほど嬉しかったです。

初日は朝からすごい霧雨で、スタンドも上半分くらいが霧で見えないくらい。 そんな中、ロン(スコットのパパ)に遭遇。去年のナザレス以来です。 「久しぶり〜。元気だった?」と聞かれ、すこしの間、お話。 パパが来てるってことは、やはりここは期待できるってこと?と思ったのですが、 後からグレニス(スコットのママ)に聞いた所、 インフィニティ・プロに出ている Wade Cunningham(NZ)の面倒をロンが見ていて、両親とも今年はインディアナポリス在住、 レースにも毎戦行っているとのことでした。 (Wadeは次戦の最終戦フォンタナで優勝し、タイトル獲得。) この日のプラクティス1は30分遅れで、ウェットコンディションでのスタートだったものの、 スコットの滑り出しは悪くない感じ。 寒くて霧雨だったこともあり、この日はあまりフラフラもできず、 ガレージ内で座れる場所をみつけて作業や人の行き来を見てることも多かったです。

2日目朝のプラクティス3で、走り出して割とすぐに良いタイムを出し、 ロンも「That's good!」と上機嫌。 このプラクティスの結果を見て、トヨタの方と共に良い予選結果を期待していました。 思惑通り、Single Car Qualifying でトップタイムを出し大喜び。 ここまでの結果を見ると、やはりドライバーの経験が かなり結果に現れているように思いました。 6位以内に入るとまだ次があります!チームメイトのジョルジョと共に、 上位6人で10分のアタック(Firestone Fast 6)をしてグリッドを争います。 結局スコットは4位になりましたが、好成績への期待が大きくふくらみました。 予選後の夕方あったサイン会で、スコットに「ここに来たのは、私にとっては大正解ね。」というと、 「ハハハ。」とスコットにしてはかなり大きな声で笑っていました。 今年のもてぎで、ダラーラに乗ったりして苦しんでいたときの表情とは大違いで、 間違いなく「手応えアリ」という様子でした。

ところで、セッションを見ていて「ん?なんか違和感?」とはじめに感じたのが、 ピット作業が右から(オーバルだと左から)だったと言うこと。 気づけば、あ、そっかってことなんですが、気づくまでは「なんか変だなぁ〜」と思ってました。 それから、タイヤウォーマーを使ってるんですよね。 ギャラリーに載せている予選直前の写真にも写っています。 CARTとは違い、IRLは使っていいみたいですね。知りませんでした。

決勝日の朝はサンダーストームで、ものすごい土砂降りの雨だったので、 決勝がどうなるかとかなり心配でした。 ファイナルプラクティスはウェットでしたが、 朝の土砂降りで雲が全部通りすぎたようで、その後は曇りのまま。 レース中も雨は降らないだろうということでした。 それにしてもファイナルプラクティスから決勝(なんと3:45スタート!)まで6時間弱もあり、 間にサポートレースがあるとはいえ、さすがにすこし暇でした。。。

いよいよレースです。 スタート直後に、PPのエリオ、ジャンプアップしてきたトニーに続いて、スコットは3位につけました。 しばらく膠着状態が続き、エリオが逃げてしまう・・・と思い始めた頃、 トニーが最終コーナーで少し失速したのを逃さず、 フロントストレッチで加速し1コーナーでパスして2位。 イエローを挟んでリスタート後、カメラが中継で追っていなかったターン3-4辺りで いつの間にかエリオをパスしてトップ。 リプレイを見たときに「そこで外側から抜くのかぁ〜!」と、 鮮やかなパスシーンに惚れ直したと同時に「これは行ける!」と思いました。 ピットストップは計2回ありましたが、両方ともミスなく着実にこなし、 ピットアウトしていくと自然にピットで拍手が起こる、という雰囲気でした。 ピット作業中は、常にグレニスがずっと手を叩きながら心配そうに見ていました。 2回目のピット後、スコットより後にピットインしたトニーとダリオがスコットより前に出ましたが、 「彼らのタイヤが温まる前の1,2周のうちに抜けば問題ない」と思って、 あまり心配していませんでした。 予想通り1周後にはトップに返り咲き、追ってくるトニーを振りきりました。 これで大丈夫と思えるようになってからは、ロン、グレニス、ゲストなどを含め誰もが落ち着かず、 グレニスは何度もテレビに大写し、ロンもずっとウロウロしていました。 私もずっと小さく足踏みをしていたような気がします。 最後のリスタートもしっかり決め、ピットでも「Good restart!」と拍手が起きていました。 ファイナルラップのバスストップ・シケイン手前でクラッシュが起きたため、 イエローでチェッカーを受けることになりました。 チェッカー直後、スコットのガッツポーズをみんなで見届けた時からピットは大騒ぎで、 そこここで握手やハグ。 私は、この週末中ずっと気にかけてくださっていた、TRDのターゲット担当永野さんとはじめに握手。 その後、ロン、グレニス、その他のゲストなどとハグ。 グレニスには「バッチリ良い所に見に来たわね〜。」と言われました。

その後、ウィニングランして帰ってくる前にとヴィクトリーレーン入口へ向かいました。 まだかまだかと待っていて、ノーズが見えて9号車が入ってきたときは感激でした。 車から降りてみんなに祝福され、インタビュー、表彰式、シャンパンファイト、写真撮影・・・ 式次第がどんどん進みました。私は脇の柵の外からですが、 感動に浸りきって顔に力が入らないまま、その光景を眺めていました。 永野さん同様、この週末中ずっと気にかけてくださっていたTRDの竹内副社長さんともお会いでき、 しっかり握手。 式が進行している間に3度ほどチップ・ガナッシと目が合い、 その度に目にもとまらぬ速さのウィンクをしてくれました。 チップが途中、ウィナーズサークルから出てきたときに 「おめでとうございます。私、日本から見に来たんです。」と言うと、 毎年サインをもらったりしていたのを覚えていてくれたのか 「知ってるよ。ありがとう。ありがとう。」と言ってハグ。チップはフカフカでした。

パドックに戻ってくると、他チームはずいぶんと片づけが進み、 観客もほとんどいなくなっていました。 ターゲットのクルー何人かと握手をした後、 トランスポーターの前で片づけ作業を見ながらスコットを待っていました。 薄暗くなってきた頃にインタビューなどを終えたスコットが帰ってきて、 「おめでとー。最高!すごい!」と笑顔で握手。 このときのスコットは、もちろん、今まで見た中では最高に嬉しそうな自然な笑顔で、印象的でした。 前日に頼んであったのですが「バイザーもらえる?」ともう一度聞いたら、 頷いてトランスポーターの中に入っていきました。 サインしてもらおうとペンを出して待っていると、 スーツから服に着替えたスコットがバイザーを持ってきてくれて、 見るともうバイザーにはサインとWATKINS 05が書かれていました。 あまりにびっくりして慌ててしまい、「ありがと〜!!!」というのが精一杯でした。 スコットなりにかなり気を利かせてくれたのだと思います。 もうそろそろ帰る時間になり、ターゲットのホスピタリティの脇を通りかかったら、 ロンに「Umi!」と呼び止められ、シャンパンをいただいきながらグレニスやゲスト の方と話をしました。 グレニスには「Umiはもっとレースを見に来なくちゃね。」と言われました。 少しして、まだ興奮さめやらぬまま、トラックを後にしました。

この週末中、優勝を願って王冠の形をしたアメリカンピアスをしていました。
観戦に行くときには、必ずこれを身につけなければね!




最後に

今回も、旅行としてもいろいろ苦労していて、心配事が絶えない毎日でした。 そんな中も2年連続ナザレスで会った友達との再々会が叶い、新たに友達もできて、 現地でお会いした全ての方々にいろいろと助けてもらいながらの観戦。 皆さんのお陰でトラブルもなんとか乗りきり、最高な時間を過ごせました。 観戦後にはカナダのケベックシティで観光をして、無事に日本に戻ることが出来ました。

現地でお会いした方々、留守中にもここに来ていただいた方々、 本当にありがとうございました。
そして、文字ばかりのページを最後まで読んでいただいてありがとうございました。
今年も私が個人的に感じたことばかりを書いてみたのですが、
現地の様子がすこしでもわかっていただければ、 また、観戦を考えている方のお役に立てれば、幸いです。




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